【12月6日 AFP】先日行われたボクシングのWBC世界ライトヘビー級タイトルマッチで対戦相手にノックアウトされたアドニス・スティーブンソン(Adonis Stevenson、カナダ)が「重度の外傷性脳損傷」を負い、依然として集中治療室に入っていることが分かった。担当医が5日、明かした。

 1日に行われたオレクサンドル・グウォジク(Oleksandr Gvozdyk、ウクライナ)戦後に手術を受けた41歳のスティーブンソンについて、担当医は「現在の状況下で容体は安定しているが、重篤ではある」と話した。

 また医師によれば、スティーブンソンは「呼吸器による補助、深鎮静、神経モニタリング」を必要としている。医師は、長期予後について「コメントするのは時期尚早」としているが、神経障害が残る見通しだという。「われわれはこういった事例を今までも見てきたが、状況は人によって異なる」

 試合を通じてグウォジクにほぼ圧倒されたスティーブンソンは、幾度も左右のパンチを浴びてよろける場面があり、11回に強烈な右のパンチを食らってKO負けを喫した。これによって、2012年ロンドン五輪で銅メダルに輝いたグウォジクが、初めてのメジャータイトルマッチでベルトを獲得した。

 2013年にチャド・ドーソン(Chad Dawson、米国)を倒して以降、通算10度目のタイトル防衛を逃したハイチ出身のスティーブンソンは、試合後に病院に搬送され、医師は意識レベルの低下を明かしていた。(c)AFP