【12月4日 AFP】(更新)フランス全土で燃料税引き上げに対する抗議デモが広がりを見せる中、エドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相が4日、来年1月1日に予定していた同税の引き上げの延期を発表する。政府筋が明らかにした。

 黄色いベストを着用した人々による、2週間に及ぶ抗議デモの鎮静化を狙った措置で、その他の対応策も発表するという。

 今回のデモは先月、政府が環境汚染対策の財源とする燃料税への抗議行動として始まった。しかし先週末には、首都パリの路上における衝突や破壊行為に発展した。

 今年の燃料費の急騰に端を発したデモは、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領に対するより広範な反発へと急速に膨らんだ。マクロン大統領は、とりわけ低所得者層を苦しめる政策を推進しようとしているという非難にさらされている。

 政府は3日、丸1日を費やし、全政党の指導者らと協議。そのうちの多くが、首都で発生した1日の暴動に触れて国民の怒りをなだめるよう求め、マクロン氏が同日夜、燃料税引き上げの延期を決めたという。

 これを受けてフィリップ首相が4日、与党・共和国前進(REM)所属議員らとの会合後に、この延期を発表するという。

 ただ首相府は、「安全上の理由」により、フィリップ首相が抗議デモを主導する「黄色いベスト」の代表との面会は行わないことを明らかにした。複数の情報筋によると、草の根運動を率いるというこの代表らの考えに反対する強硬派から脅迫を受けたためとされる。(c)AFP