【12月3日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)のウリ・ヘーネス(Uli Hoeness)会長が2日、クラブのレジェンドで、自身の旧友だったパウル・ブライトナー(Paul Breitner)氏との仲が修復不可能であることを明言した。

 事の始まりは10月。結果が出ない試合が続く中で、ヘーネス会長とカール・ハインツ・ルンメニゲ(Karl-Heinz Rummenigge)社長がチームに批判的なドイツメディアを攻撃し、記者会見が異様な雰囲気に包まれたことがあった。するとブライトナー氏が地元テレビで「高慢なイメージを抱かれないようにという、クラブのここ数年の努力が台無しにされた」と会長を激しく糾弾した。

 その結果、発言に激怒したヘーネス会長は、ブライトナー氏が本拠地アリアンツ・アレーナ(Allianz Arena)のVIPエリアを訪れるのを禁止したと報じられ、両者の確執は目に見えて激化していた。

 この日、バイエルンのファンクラブを訪問したヘーネス会長は、出入り禁止の報道が事実であることを認め、「パウル・ブライトナーは殉教者ぶっているが、彼は犠牲者ではなく元凶だ」と憤った。

「関係はもはや元には戻らない。彼は一線を越えた」「VIPエリアには来ないよう伝えてある。言葉にならないほどの損害をバイエルンに与えたからだ」「われわれに文句があるなら、直接言えばいい。メディアを通じてではなく」

 出席者から厳しい言葉も出た先月30日の年次総会でも、ヘーネス会長は歩み寄りの余地がないことを認め、「パウル・ブライトナーとは出所した時に縁を切った。それだけの話だ」と語っていた。会長は脱税で2014年6月から2016年初めまで収監されている。

 ルンメニゲ社長も、ブライトナー氏が「テレビに出演してウリ・ヘーネスをこき下ろして以来」、クラブの厄介者になったことを認め、「残念ながら、すでに両者の縁は切れている」と話している。

 現在66歳のヘーネス会長と67歳のブライトナー氏は、1974年のW杯西ドイツ大会を制した同国代表のメンバーで、バイエルンでもチームメートだった。(c)AFP