【12月3日 AFP】アルゼンチンで20か国・地域(G20)首脳会議に出席したサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子は2日夜、歴訪先の一つであるアルジェリアの首都アルジェに到着した。外遊にはトルコのサウジ総領事館で起きたジャーナリストのジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏殺害事件が影を落としている。

 アルジェの空港に到着した皇太子と大規模な随行団は赤いじゅうたんに降り立ち、アハメド・ウーヤヒア(Ahmed Ouyahia)首相ら閣僚の出迎えを受けた。

 アルジェリア大統領府は皇太子の訪問の目的を「2国間協力やパートナーシップの実現、投資プロジェクトに新たな推進力をもたらす」ためと説明している。

 皇太子は先週から、米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)のコラムニストだったカショギ氏が10月2日に陰惨な形で殺害されて以降、初の外遊に出ている。

 だが、トルコ当局、また伝えられるところでは米中央情報局(CIA)もカショギ氏殺害に皇太子が関与したと結論づけるなか、サウジ政府と皇太子に対する国際的な圧力は高まる一方だ。アルジェリアでも皇太子の訪問には政界や学会から批判の声が上がっている。

 サウジ当局はカショギ氏がイスタンブールのサウジ領事館で殺害されたことは認めているが、皇太子の殺害関与については強く否定している。(c)AFP