【12月2日 AFP】アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開催された20か国・地域(G20)首脳会議は1日、首脳宣言を採択して閉幕した。会議では米国が気候変動に対する地球規模の行動の支持を拒否し、保護主義と闘うとのこれまで盛り込まれてきた文言を骨抜きにしたため、米国と他のG20参加国との間で意見の相違が目立った。

 首脳宣言では、米国以外のすべてのG20参加国が「撤回不可能な」地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」の履行に合意したことが明記された。「米国はパリ協定から脱退する意思を改めて表明している」とも記された。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が中国をはじめとする複数の国に貿易戦争を仕掛ける中、首脳宣言ではトランプ大統領就任前にG20参加国が約束していた保護主義との闘いと多国間貿易ルールの順守との文言が削除された。

 首脳宣言は代わりに「多国間貿易システム」の「寄与」を認め、多国間貿易が経済成長と雇用創出の目標を「達成していない」と指摘するにとどまった。(c)AFP