【11月30日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の個人弁護士を長年務めたマイケル・コーエン(Michael Cohen)被告(52)は29日、2016年大統領選でのロシア共謀疑惑に対する捜査をめぐり、議会で偽証した罪を認めた。

 米当局はコーエン被告が約1時間にわたる審問で、ロシアの首都モスクワでの不動産取引1件に関し虚偽の証言をしたことを認めたと確認した。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によると、高層ビル「トランプタワー(Trump Tower)」のモスクワでの建設計画は、大統領選でトランプ陣営とロシアが共謀した疑惑に対する捜査の焦点となっている。建設計画は最終的に実現には至らなかった。

 コーエン被告は2017年8月、議会への書面による証言で、この計画に関し「虚偽かつ架空の、不正な」証言をしたことを認めた。

 裁判所の文書によると、同被告はこの計画が棚上げになった時期が、大統領選での最初の党員集会・予備選開始前の2016年1月であることを示唆し、虚偽の証言をした。この取引と取引相手との関係を目立たせないようにして、ロシア疑惑捜査を制限することを期待していたという。

 だが同被告の供述とは異なり、建設計画は実際には2016年1月以降も社内で複数回にわたって協議され、同年6月に入ってもロシア政府の認可を得るための取り組みが協議されていた。

 コーエン被告は今年8月、2016年大統領選開始前にトランプ氏と不倫関係にあったと主張するポルノ女優のストーミー・ダニエルズ(Stormy Daniels)さんと、米男性誌「プレイボーイ(Playboy)」元モデルのカレン・マクドゥーガル(Karen McDougal)さんに口止め料を支払い、選挙資金法に違反した罪などを認めていた。(c)AFP