【11月29日 AFP】サッカー元アイルランド代表のレジェンド、ロビー・キーン(Robbie Keane)が28日、20年以上にわたる現役生活に終止符を打ち、そのキャリアは「ダブリンで育ったサッカーに夢中な少年」の頃に描いていたすべての希望を超えるものだったと振り返った。

 アイルランド代表として歴代1位の68得点を記録し、同21得点で2位のナイアル・クイン(Niall Quinn)氏に大きく差をつけている38歳のキーンは、新たに母国の代表を率いるミック・マッカーシー(Mick McCarthy)監督のアシスタントに専念することになった。

 代表の主将を10年務めたキーンは、先日解任されたマーティン・オニール(Martin O'Neill)前監督の下でアシスタントコーチを務めていたロイ・キーン(Roy Keane)氏の後任となる。

 キーンはコメント文を発表し、「きょう、素晴らしい23年間を経て、私はプロサッカー選手として現役を引退することを正式に発表する」「キャリアを開始したクラムリン・ユナイテッド(Crumlin United)から、伊ミラノ、英ロンドン、米ロサンゼルスなど世界各地を回り、想像もしていなかったサッカー人生を歩んできた」と述べた。

「それは、ダブリンで育ったサッカーに夢中な少年時代に描いていたすべての期待を超えるものだった」

 同姓のロイ氏とは裏腹に、キーンは1期目の代表指揮官を務めていたマッカーシー氏との関係は良好だった。

 アイルランドは2002年のW杯日韓大会(2002 World Cup)でキーンらを擁して決勝トーナメントに進出。1回戦でPK戦の末にスペインに敗れたが、その当時世界的な選手だったロイ氏は、マッカーシー氏との激しい言い争いもあり、チームを離脱していた。

 W杯出場に加え、欧州選手権(UEFA Euro)に2度出場するなど、146試合に出場して長らく母国の代表選手としてプレーしたことについて、キーンは心のこもった言葉を残した。

「母国のためにプレーし、主将を務めたことは自分のキャリアのハイライト。18年間にわたってアイルランド代表と送ってきた信じられないような最高の旅路の一瞬一瞬を楽しんだ。これまでに何度も言っている通り、アイルランド人であるということをどれほど誇りに感じているかは、言葉にあらわすことができない」

 キーンは、さまざまなチームを渡り歩いたとはいえ、クラブレベルのキャリアでも成功を収め、最後は今年3月にシーズンの終わりを迎えたインディアン・スーパーリーグ(ISL)のATKで選手兼監督を務めた。

 イングランド・プレミアリーグでは、コベントリー・シティ(Coventry City)やリーズ・ユナイテッド(Leeds United)、リバプール(Liverpool FC)、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)などでプレーし、リーグ戦通算349試合で126得点を記録。特にトッテナムでは91ゴールを決めている。(c)AFP