■増え続ける人工衛星

 2013年に設立された日本の宇宙ベンチャー企業アストロスケール(Astroscale)は、宇宙ごみや壊れた人工衛星に接近して捉えるシステムの開発を行っている。同社のクリス・ブラッカビー(Chris Blackerby)最高執行責任者(COO)は、「非常に将来性がある」とこの事業に期待を寄せる。2020年には実証実験も計画されている。

 一方、欧州航空機大手エアバス(Airbus)は、2023年に「スペースタグ(Space Tug)」の打ち上げを目指している。古くなった人工衛星を捉え、地球から約200キロの高度まで移動させて燃やす計画だ。

 米衛星産業協会(Satellite Industry Association)によると、宇宙空間の人工衛星の数は過去5年間ですでに50%増加しており、今後も増え続けると予想されている。

 米国では、事故を避け、将来的に対立が起こった場合に対処できるよう、宇宙交通に関するより良い国際規則の必要性について議論が活発に行われている。

 米国防総省の研究機関、国防高等研究計画局(DARPA)戦術技術室のフレッド・ケネディ(Fred Kennedy)室長は、「われわれは、西部開拓時代のような状況は望んでいない」と述べ、米国の軍事衛星群について触れながら、地球の国境を超えた、健全なルールの確立を強く望んでいると話した。(c)AFP/ Ivan Couronne