【11月29日 AFP】英国のウィリアム王子(Prince William)とキャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)が28日、イングランド・プレミアリーグ、レスター・シティ(Leicester City)の本拠地キング・パワー・スタジアム(King Power Stadium)を訪れ、先月ヘリコプターの事故で亡くなった同クラブのウィチャイ・シーワタナプラパー(Vichai Srivaddhanaprabha)会長に哀悼の意を表した。

 王子夫妻は、会長の息子であるアイヤワット(Aiyawatt Srivaddhanaprabha)氏ら遺族と数分間を過ごすと、事故現場近くの献花場に花束を手向けた。ウィチャイ会長は先月27日のウェストハム(West Ham)戦の後、ピッチから飛び立った直後にヘリコプターが墜落して炎上し、他の4人の同乗者と共に亡くなった。

 クラブを弔問した王子夫妻は、ウィチャイ会長から寛大な寄付を受けていた慈善団体やファンらと面会し、団体の責任者に対して「彼はコミュニティーを結びつける接着剤のような存在だった」とすると、「彼を模範としてコミュニティーに寄与するオーナーがもっと増え、もっと関与してくれれば」と付け加えた。

 イングランドサッカー協会(FA)の総裁でもあり、事故の数週間前にウィチャイ会長とロンドンで面会して慈善活動やサッカーについて話し合ったというウィリアム王子は、クラブの上級幹部やイングランド代表FWのジェイミー・バーディー(Jamie Vardy)ら選手に向けたスピーチの中で、2015-16シーズンにレスターが成し遂げた信じられないようなリーグ制覇について言及した。

「近代スポーツ史において、最高の下克上物語を書き上げた」「このクラブを勝利に率いた人物がとても悲劇的な死を遂げた際、この街の人々はあふれんばかりの称賛を示して、ウィチャイ氏という存在をいかに心のよりどころにしていたかを明らかにした」

 救急ヘリのパイロットでもあったウィリアム王子は、事故で亡くなった操縦士のエリック・スワッファー(Eric Swaffer)氏と一緒に飛行したことがあると明かし、その経験は「栄誉」なことだったと述べた。

 レスターのシーズンチケットを保持している51歳のファンは、「あふれるほど豊富な資金を持つクラブはあるけれど、大切なのはお金じゃない。ファンに対してどのようにもてなし、気を配るかだ。このクラブの人々は、その点素晴らしい」と話していた。(c)AFP