【11月28日 AFP】ボクシング、WBC世界ヘビー級王者デオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)と元王者タイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)のタイトルマッチについて、過去のヘビー級王者たちが展望を語り、判定ならばフューリーが王座を奪うとの見方を示した。

 無敗のボクサー同士の決戦は、来月1日に米ロサンゼルスのステープルズ・センター(Staples Center)で王者ワイルダーがフューリーを迎え撃つ。試合はWBAとIBF、WBOのベルトを持つアンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua)との統一戦という、メガファイトに道筋をつける可能性もある。

 過去のヘビー級王者の中では、ワイルダーのパンチ力なら序盤に決着をつけることも可能だという見方がある。しかしレノックス・ルイス(Lennox Lewis)氏とイベンダー・ホリフィールド(Evander Holyfield)氏は、逆に戦いが長引けば、流れはフューリーに傾くとみている。

 ホリフィールド氏は27日、「デオンテイのパワーなら、序盤で終わらせることもできるだろう。しかしタイソンが彼をいらつかせ、最終ラウンドになれば、流れは彼に行く可能性がある」「タイソンは以前からしり上がりなタイプだし、デオンテイ戦もそうなるだろう。乱戦なら彼の方が経験は上だし、小技も豊富だ」

 4団体統一を達成しているルイス氏も、ホリフィールド氏の意見に同調し、「判定に行けば試合はタイソンのものになる。短期勝負ならデオンテイ・ワイルダーだ」と話した。

 マイク・タイソン(Mike Tyson)氏は、フューリーの精神的なタフさがタイトルを呼び込むだろうと話している。

 現在30歳のフューリーは、うつ病やアルコール中毒、薬物中毒で長期離脱をしたところから見事に復活を果たした。本人は、2016年には生活をコントロールできなくなり、自殺も考えたと明かしている。タイソン氏は、そうした個人的な問題を乗り越えて復帰してきた力は、ワイルダーにはないものだと話している。

「ワイルダーのパンチが強いとはいえ、フューリーがリング内外で見せた精神的な強さとは比べるべくもない」「接戦になるだろう。しかし、俺はフューリーに大きなチャンスがあると考えている」

 一方、ワイルダーが力で一気にねじ伏せるとみるのはリディック・ボウ(Riddick Bowe)氏だ。1992年に統一王者に輝いたボウ氏は「もしワイルダーが序盤から本気なら、彼がフューリーを軽くひねっておしまいさ。自分の予想はワイルダーのKO勝ちだ!」とコメントしている。(c)AFP