【11月27日 AFP】サッカーアルゼンチン1部リーグ、リーベル・プレート(River Plate)のロドルフォ・ドノフリオ(Rodolfo D'Onofrio)会長は26日、先週末に予定されていたリベルタドーレス杯(Copa Libertadores de America 2018)決勝がファンの暴動により延期されたことを受け、対戦相手であるボカ・ジュニアーズ(Boca Juniors)の会長の「裏切り」を非難した。

 ボカ対リーベルの決勝第2戦は、一連の暴動や混乱により2度にわたって延期となり、南米サッカー界にとっては恥ずかしい週末となった。この試合は当初24日に予定されていたが、ボカのバスがリーベルファンに襲われ、選手が割れたガラスで負傷したり、催涙ガスを吸い込んだりしたことで、両クラブの会長は大一番のキックオフを1日遅らせることに合意していた。

 しかし、ボカ側は選手が負傷したことで「競技面で不利」になったと主張。同クラブのダニエル・アンヘリチ(Daniel Angelici)会長は、このまま試合をせずにボカを勝者扱いするよう主催者の南米サッカー連盟(CONMEBOL)に求めると話し、結局25日にも開催されなかった。

 これに対し、リーベルのドノフリオ会長は民放ラジオ・ミトレ(Radio Mitre)で「彼が約束を守らなかったというのは信じがたい」「われわれは書類にサインし握手した。その後、彼がCONMEBOLに申し立てを行い、自分たちが優勝チームになるよう要求しているのを知った」と激怒した。

 ボカのアンヘリチ会長は25日、CONMEBOLの規律委員会に対し、リーベルに制裁を科すよう求めるつもりだと明かしていた。同会長は記者会見で「個人的には、勝敗はピッチの上で決まるものだと思うが、私にはクラブの会長としての責任があり、規則に従わなくてはならない」と述べている。

 またアンヘリチ会長は、没収試合などの罰則を規定した連盟規則の第18条に言及している。第18条は、3年前に行われた同大会の準々決勝で両チームが激突した際にも適用され、ハーフタイムにファンがリーベルの選手にペッパースプレーを浴びせたボカが失格となり、勝ち上がったリーベルがそのまま優勝している。

 ドノフリオ会長は「ボカの勝利扱いになることはない。もしそうなったら本当に恥ずべきことであり、人がし得る最悪の裏切りの一つになる」とコメントした。

 両チームの会長は、決勝第2戦の新たな開催日を決定するため、27日にCONMEBOLのアレハンドロ・ドミンゲス(Alejandro Dominguez)会長と会談することになっている。

 大雨でピッチが水浸しになった影響でキックオフが1日遅れた2週間前の決勝第1戦は、2-2のドローで終了している。同大会の決勝は来年から中立地で開催され、勝敗は一発勝負で決まる。(c)AFP