【11月26日 AFP】今シーズン限りでフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)を引退するマクラーレン(McLaren)のフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)が25日、今季最終戦のアブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2018)で最後のグランプリに臨み、ファンサービスのドーナツターンと他のレーサーからの賛辞、そしてレース後のペナルティーで派手にF1へ別れを告げた。

 花道を歩いてコースへ向かったアロンソは、ヘルメットを着けてスタートすると粘り強い走りを披露し、マクラーレンとの最後のレースで11位に食い込んだ。ポイント獲得をあと一歩のところで逃すレースは、フェラーリ(Ferrari)時代に同世代で最も偉大なチャンピオンになる寸前まで行きながら、わずかの差でタイトルを逃し続けたキャリアを象徴するかのようだった。

 ルノー(Renault)時代の2005年と2006年にドライバーズタイトルを獲得している37歳だが、後に残ったのはF1で頂点を極めきれなかったという印象と、才能と同じくらい豊かな個性の思い出だった。入賞を争う中でショートカットをして5秒ペナルティーを3回食らい、レース後にライセンスに3点のペナルティーポイントを科されたのを見て、苦笑いした人もいるだろう。

 アロンソは「非常に驚いている。というのは、自分は偉大なチャンピオンたちとレースしてきて、ミハエル(・シューマッハ<Michael Schumacher>)とも走ったし、ジェンソン・バトン(Jenson Button)とも走った」「そして数年前、同じこの場所で彼が最後のレースを迎えたが、この週末に僕がしてもらったようなことは行われなかった。だから、みんなには感謝してもしきれない」と話した。

 レース後のスローダウンラップでは、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)とフェラーリのセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)がアロンソのためにコースを空けるようにして並走し、3台一緒にドーナツターンを披露してアロンソを特別にねぎらった。

 アロンソは笑いながら「良いインラップだった。アドリブで、もともと考えていたことじゃない。彼らがターン8と11でドーナツをやるのが見えて、それで僕もついていった」とコメントした。「それから3人で並んでそのままスタート・フィニッシュラインまで走った。2人の粋な計らいがとてもうれしいし、チェッカーフラッグを見ながらの祝福というのも気持ち良かった」

 一方でアロンソは、2019年は別のモータースポーツでタイトル獲得を目指すものの、その後にF1へ復帰する可能性を排除していない。

「今は戻ってくるつもりはないが、来年が終わってどんな気持ちになっているかは分からない。今は休養が必要だし、2019年には新しいチャレンジが必要だ」「『三冠』のために戦いたい。インディアナポリス500(Indianapolis 500)や、他の伝統のレース。デイトナ24時間(Rolex 24 At DAYTONA)に出るかもしれない。他のレースもあるかもしれない」 (c)AFP/Tim Collings