【11月25日 AFP】イランのハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領は24日、世界中のイスラム教徒に向けて、米国に対する「団結」を呼び掛けるとともに、サウジアラビアに対しては「兄弟」であると断言した。

 ロウハニ大統領は首都テヘランで開催されたイスラム統一会議で、「現在の米国の(中東での)望みは、隷属化だ」と断じ、イスラム諸国の政府は「犯罪者に対してレッドカーペットを広げる」のではなく、団結して米国と「中東のがんの腫瘍」であるイスラエルに対抗していかなければならないと訴えた。

 またシーア派(Shiite)の大国イランのライバルであり、スンニ派(Sunni)の大国サウジに対しては、米国による「侮辱的な」軍事支援への依存を断ち切るよう呼び掛け、「総力を挙げてサウジ国民の利益を、テロリズムや超大国から守る用意がある」と述べた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は今年5月、主要6か国とイランの間で結んだ2015年の核合意から離脱。その後対イラン制裁を再発動した。

 またサウジ政府は2016年1月、イランと断交。サウジが著名なシーア派指導者の死刑を執行し、イランで抗議する人々がサウジ大使館を襲撃したことがきっかけだった。

 するとサウジは、湾岸アラブ諸国のシーア派の人々の間で騒ぎをあおったとしてイランを非難。両国はシリアとイエメンでの内戦でも、それぞれ対立する陣営を支援している。(c)AFP