【11月24日 AFP】インターネット通販最大手の米アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の従業員が年末商戦の開始を告げる「ブラックフライデー(Black Friday)」に当たる23日、労働環境の改善を求めてスペインとドイツ、英国でストライキを決行した。アマゾン側はストライキによる影響はないとしている。

 アマゾン従業員らの多くはハッシュタグ「#Amazonwearenotrobots(アマゾン、私たちはロボットではない)」を使用。同様のストライキは、7月のセール日にも行われた。

 ドイツでは、従業員らが残業手当の増額などを定めた労働協約の締結を求めている。しかし、アマゾンのドイツ本社は、「大多数」の従業員はストには参加しておらず、注文・配送には影響がないと主張している。

 英国では、労働組合「全国都市一般労組(GMB)」が5か所の配送センターで抗議活動を予定している。従業員にはトイレに行く時間もなく、妊娠中の従業員が立ち仕事を強要されるなど、「非人間的な環境」を糾弾するためだという。これに対してアマゾン側は、同社の労働環境は良好で、「英国内の他の運輸・倉庫会社に比べると、負傷者の数は平均すると40%以上も少ない」と主張している。

 スペインのアマゾンで労働争議が始まったのは、同国の労組、労働者委員会(CCOO)によると、同社が労働環境を改変したために疾病手当や疾病休暇が廃止されたことがきっかけだった。アマゾン側はこれに対して、従業員には「水準以上の給与とさまざまな福利厚生一式、革新的な研修プログラム」を提供していると文書で反論している。

 スペインでのストライキは今月23~24日、12月7日と9日、15日、来年1月3~4日に実施予定で、CCOOによると、いずれも「アマゾンの繁忙日」に当たる。

 フランスでは、活動家らがアマゾンのフランス本社前で古い電子機器を廃棄して抗議運動を展開。アマゾンにはリサイクルの取り組みが欠けていると非難する一方、ブラックフライデーの過剰消費も批判した。(c)AFP