【11月24日 AFP】男子テニス、国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2018)は23日、ワールドグループ決勝が行われ、初日のシングルス2試合でマリン・チリッチ(Marin Cilic)とボルナ・チョリッチ(Borna Coric)が共にストレート勝利を収めたクロアチアが、現王者のフランスから2勝0敗とリードを奪い、2度目の優勝に王手をかけた。

 クロアチアが敵地リール(Lille)のスタッド・ピエール・モーロワ(Stade Pierre Mauroy)で終始優勢に進めた一方で、ヤニック・ノア(Yannick Noah)監督が率いるフランスは、ホームアドバンテージとクレーコートの利点を最大限に生かすことはできなかった。

 満員の観客が詰めかけた中で行われた1試合目は、ブノワ・ペール(Benoit Paire)やメンバーの中で最も世界ランクが高いリュカ・プイユ(Lucas Pouille)を差し置き、驚きのメンバー入りを果たしたジェレミー・シャーディ(Jeremy Chardy)をチョリッチが6-2、7-5、6-4で下し、クロアチアが最高のスタートを切った。

 続く2試合目では、世界ランキング7位のチリッチがジョーウィルフリード・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga)に6-3、7-5、6-4で快勝。ツォンガは負傷し、第3セットでメディカルタイムアウトを取らなければならなかった。

 チリッチは「サービスゲームを失わなかった。最初から最後まで素晴らしいテニスができた」と話した。「私は3日とも出場できる。デビスカップでは、よく3日連続でプレーしている。キャプテン(ジェリコ・クラヤン<Zeljko Krajan>監督)がどうするか見てみよう」

 一方、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament)で決勝に進んだ経験を持つも、今シーズンは負傷に悩まされて現在の世界ランキングは259位に沈んでいるツォンガは、チリッチに全く圧力をかけることができず、自身が手にした5本のブレークポイントを全てものにできなかった。

 ノア監督はbeINスポーツ(beIN Sports)に対し、「彼(ツォンガ)は鼠径(そけい)部に問題を抱えていた」「われわれは控室で、彼が棄権するのではないかと思っていた。でも、たくさんの人が見に来ているから、プレーを続けなければならなかった」と語った。

 チリッチは、2年前の決勝で2セットアップからファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro)に逆転負けし、アルゼンチンにタイトルを譲ってしまった時の雪辱を目指しており、24日のダブルスでマテ・パビッチ(Mate Pavic)/イワン・ドディグ(Ivan Dodig)組が勝利すれば、クロアチアの優勝が決まる。

 パビッチ/ドディグ組の対戦相手は、先週行われたATPワールドツアー・ファイナルズ(ATP World Tour Finals 2018)のダブルスで決勝に進んだピエール・ユーグ・エルベール(Pierre-Hugues Herbert)/ニコラ・マウー(Nicolas Mahut)組であり、やや分が悪いかとみられている。

 クロアチアの優勝が決まれば、2005年大会以来2度目。伝統ある同大会は、物議を醸したフォーマット変更が来年から加わるため、現行の方式で行われるのは今年が最後になる。

 クロアチアのクラヤン監督は「選手たちのメンタル面を特に誇りに思う」「彼らの試合の進め方や、観客の前でのプレッシャーの対処法にね。選手たちは非常に集中し、モチベーションもとても高かった」とコメントしている。(c)AFP