【11月23日 AFP】ラグビー元ウェールズ代表のガレス・トーマス(Gareth Thomas)氏は21日、同性愛者を標的にした暴力被害に先日遭遇したことで、「すべての人を受け入れることが普通の世の中になるための闘い」をしていく決意を示すと同時に、事件を受けて自身を支援してくれた人々に感謝の意を表した。

 現役時代に母国代表の主将として活躍したトーマス氏は今月16日、「自分のセクシュアリティーが理由で」英カーディフ(Cardiff)でヘイトクライム(憎悪犯罪)被害に遭ったことを公表。「前向きなメッセージ」になることを願って修復的司法に乗り出したと明かした。

 警察によると、修復的司法とは「犯罪に対する前向きな解決法を模索」して、「若者たちに、自分たちの行動に対して責任を持つよう促すこと」とされている。

 2009年にゲイであることを公表した44歳のトーマス氏は、自身のツイッター(Twitter)に投稿したコメント文で、「身体的な傷が癒えてきた今、私を支援してくれた性的少数者(LGBT)コミュニティーの皆さんに対し、とてつもないほどの感謝をしなければならないと感じている」「精神的な傷はしばらく残るだろうが、それがより一層、すべての人を受け入れることが普通の世の中になるための闘いに、私を駆り立ててくれるだろう」と述べた。

「私を攻撃した集団よ、どうか約束通り謝罪してほしい」「あなたたちが申し訳ないと言ったことを、私は信じている」

 この事件を受けてウェールズ代表の選手は、トーマス氏への支援を示すために、24日に行われる南アフリカ戦で虹色の靴ひもをつけることになった。ウェールズラグビー協会(Welsh Rugby Union)はツイッターに、「今週末の試合で#RainbowLacesを身に着け、元主将の@gareththomas14を支援する」と投稿した。

 これに先立ち、フランス代表は真っ先にトーマス氏への支援を表明しており、こちらも24日のフィジー戦でレインボーカラーの靴ひもを結ぶことになった。トーマス氏は同国リーグ・トップ14のスタッド・トゥールーザン(Stade toulousain)で、2004年から3年間プレーした経験がある。(c)AFP