【11月23日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するウィリアムズ(Williams)でテストドライバーを務めていたロベルト・クビサ(Robert Kubica)が、レース中の大クラッシュで重傷を負ってから8年後となる2019年シーズンからチームの正ドライバーとして復帰することが決定し、「ほぼ不可能」なことが現実になったと喜びを語った。

 2011年のラリーで右腕に大けがをして以降、GP出場から遠ざかっていたポーランド人ドライバーのクビサは、来季からジョージ・ラッセル(George Russell)のチームメートとしてF1に戻ってくることになった。今季はリザーブドライバーとして本格的な練習走行をこなしていた33歳は、2010年に最後にF1レースに臨んだ時と同じ場所で開催される今季最終戦のアブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2018)で復帰発表を行った。

「僕の人生において苦難の時期となったこの数年間、ずっと支えてくれていた皆さんに感謝したい」「F1グリッドに戻ってくるまで厳しい旅路だったけれど、ほぼ不可能と思われていたことが現実になった実感をかみしめ始めている。2019年からF1に参戦することを発表できて、今はわくわくしている」

 クビサはまた、ウィリアムズの歴史の中で最も難しい時期にチームに加わることを認識しており、「簡単にはいかないだろうが、ハードワークと献身でジョージと一緒にチームの助けとなり、前方のグリッドをつかむべく、より良い態勢を築けるようにしていく」とコメントした。

 イタリアで開催されたラリー・ロンデ・ディ・アンドラ(Ronde di Andora Rally)での大事故でF1のキャリアが中断されていたクビサだが、それまではGPで1勝を記録するなど才能を大いに発揮し、その実力は証明済みだった。

 クビサは体調の回復に努めながら、昨季はウィリアムズで復帰する寸前まできていた。しかし、シーズン後に行われたアブダビでの合同テストの結果、チームはセルゲイ・シロトキン(Sergey Sirotkin)を起用することを決断。それでも、25日にシーズン終了を控える中、シトロキンは今季1ポイントにとどまっていた。

 一方、リザーブドライバーとしてチームと契約したクビサは今年、レースをこなす中で着実に存在感を発揮していた。(c)AFP/Septime MEUNIER