【11月22日 AFP】19日夜、雨の羽田空港(Haneda Airport)。プライベートジェット機を降りた日産自動車(Nissan Motor)のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)会長を待っていたのは、まさかの拘置所行きだった。かつて企業再建の手腕をもてはやされたゴーン容疑者は、これから日本の複雑な法制度でどのような処遇を受けるのだろうか。

自動車業界きっての「コストキラー」 カルロス・ゴーン容疑者の栄光と挫折

 朝日新聞(Asahi Shimbun)による粗い写真を見ると、東京地検は羽田空港にプライベートジェット機が着陸するのを待ち構えて機内に乗り込み、ゴーン容疑者の身柄拘束に踏み切ったと思われる。機体の窓にはブラインドが下ろされ、連行される様子は写っていないが、同容疑者はその場で身柄を拘束され、拘置所に移送されたようだ。

 自動車業界の大物は今、東京の北部にある拘置所に収容され、華やかなライフスタイルとはかけ離れた状態に置かれている。AFPの取材に応じた金塚彩乃(Ayano Kanezuka)弁護士は「原則としては、独居房で一人きりで過ごしているはずだ」と言う。

 金塚氏の同僚、リヨネル・バンサン(Lionel Vincent)弁護士は「(拘置所には)必要な物は何でもそろっている。暖房、寝具。だが殺風景だ」と話し、拘置所の中央には鉄格子で囲まれた中庭もあったはずと言い添えた。

 20日には、フランスのローラン・ピック(Laurent Pic)駐日大使がゴーン容疑者と面会していたことが分かったが、詳細については明らかにされていない。

■勾留はいつまで続く?

 日本の検察当局は容疑者の逮捕後、48時間までの勾留が認められており、その間に、正式な起訴手続きを進めるのか、不起訴で釈放するのか、または身柄拘束期間を延長するのかを決める。

 東京地裁は21日、10日間の勾留延長を認めた。捜査が長引けば、さらに10日間延長される場合もある。この間にゴーン容疑者は今回の逮捕容疑(有価証券報告書の虚偽記載)とは別件で再逮捕される可能性もある。

 日本の検察当局は、証拠が十分に集まらない場合、いったん処分保留にしてから再逮捕することも多い。被疑者が国外逃亡したり罪証を隠滅したりする危険性がない場合は、保釈される場合もある。