【11月22日 AFP】国際ボクシング協会(AIBA)のガフル・ラヒモフ(Gafur Rakhimov)新会長が、五輪存続に向けた懸念材料となっているガバナンスの要求基準を満たしたと語った。

 国際オリンピック委員会(IOC)は10月、「ガバナンスの問題」が解決しない限り、ボクシングを2020年東京五輪の実施競技から外すと通告していたが、その最終的な決断が12月1日に東京で開く理事会で下される。

 それに先立ち、21日に声明を発表したラヒモフ会長は、「われわれには組織として誇れる部分が数多くあり、この1年、力を合わせて行ってきた取り組みのおかげで、AIBAとボクシングには活力が戻っている」と話し、ボクシングのガバナンス評価は過去には五輪スポーツの中でも低い方だったが、状況は変わったと強調した。

「現在のわれわれは、夏季競技の団体全体のちょうど真ん中に位置している」「AIBAの総会で承認された変革が実行されれば、上位半分に入れると考える」「われわれはミッションを達成し、変革に必要なガバナンスの要件を満たした」

 さらにラヒモフ会長は、危うかった財務も改善したと主張し、「2017年末には破綻寸前だったが、うれしいことに、現在のわれわれの財政状況はコントロールされている」と述べた。

「AIBAのキャッシュフローはポジティブであり、2020年の東京五輪後も安定を保つ」「今後数年は収支がマイナスになるだろうが、その後はきちんとコントロールされた一定の比率でプラスに転じる。それゆえ、財政に関してはすべてコントロールされている」

 ドーピング対策についても、ラヒモフ会長は前週、アマチュアボクシングは「反ドーピングの規則を100パーセント順守している」と話し、「ボクシングはこれからも五輪に残る」と約束している。

 ウズベキスタンの実業家でもあるラヒモフ会長は、2017年に暫定の会長に就任してAIBAを率いると、今月正式な会長に当選した。会長には黒いうわさもあり、米財務省からは「国際犯罪組織」との関わりを指摘されている。

 しかし本人はこれを強く否定。「国際犯罪組織や、ちまたで言われているような者たちと関わり合いをもったことなど一切ない」ため、米財務省のブラックリストに載っているのは「ミス」で、6か月以内に「修正される」はずだと話していた。(c)AFP