【11月22日 AFP】米国のジョン・ロバーツ(John Roberts)連邦最高裁判所長官は21日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が連邦地方裁判所による仮処分命令を「オバマ判事」によるものだと批判したことを受け、同大統領に対する異例の非難をした。一方、同大統領はツイッター(Twitter)上で同長官に反論した。

 ロバーツ氏はAP通信(Associated Press)の取材に応じた際、バラク・オバマ(Barack Obama)氏ら歴代大統領の名前を挙げながら、「オバマ判事もトランプ判事も、ブッシュ判事もクリントン判事もない」と反論した。

 さらに同長官は、「目の前に現れた人々に平等の権利が行使されるよう最善を尽くす献身的な判事らの、特別な集団があるだけだ」と表明。感謝祭を前に「独立した司法は、われわれ全員が感謝すべきものだ」と述べた。

 最高裁長官が公の場で現職大統領を批判するのは異例。トランプ大統領は20日、不法入国者による難民申請を拒否する大統領令を一時差し止める内容の仮処分命令を出したサンフランシスコ連邦地裁(カリフォルニア州)の判事を「オバマ判事」と批判していた。

 トランプ大統領は21日のツイッター投稿で、自身の政策に対して司法の一部に「衝撃的」な偏向があると主張。カリフォルニア州を管轄する第9巡回連邦控訴裁判所(Ninth US Circuit Court of Appeals)を名指しし、同裁の判決は「わが国を危険にしている!」と批判した。

 同大統領はまた、「ジョン・ロバーツ長官、残念だが『オバマ判事』たちは実在するし、彼らはわが国の安全に責任を負っている人々とは違ったものの見方をしている」と反論した。(c)AFP