【11月20日 AFP】米ジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)の研究チームがこのほど、高速度ビデオカメラなどを活用して、ネコの毛づくろい(グルーミング)の「秘密」を解き明かした。カギを握っていたのはやはり舌のあの「ザラザラ」。しかし、それをつくり出している微小な突起が、従来考えられていたものとは違う独特の形をしていたことが分かった。19日、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に論文を発表した。

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 ネコの舌の表面には、角質でできたごく小さな突起がたくさんついている。糸状(しじょう)乳頭と呼ばれるこの突起について、科学者はこれまで、先端がとがった爪のような形をしていると考えてきた。

 だが、ジョージア工科大のアレクシス・ノエル(Alexis Noel)氏らの研究によると、糸状乳頭は実はしゃくしのような形をしていていることが判明。ネコは毛づくろいの際、300個ほどある糸状乳頭のU字型の先端部分に口内から唾液をためて、それを毛や皮になでつけているというわけだ。

 ノエル氏はAFPの取材に、ネコの糸状乳頭は管を半分に切ったような形をしていると説明。「私たちがストローを突っ込んで液体を飲むのに似ています。液体はストローの空洞を伝って(人の口まで)運ばれてきますが、ネコは、糸状乳頭に唾液をたっぷり含み、それを体全体に行き渡らせて毛づくろいができるのです」と解説した。

 ネコは一生のおよそ4分の1を毛づくろいに費やすという。毛づくろいには、ノミやごみを取って体をきれいに保つほか、体温を調節する効果がある。

 ノエル氏は、こうしたネコの舌の仕組みはカーペットのクリーニングなどにも応用できると指摘している。(c)AFP