■不正の精算

 新韓金融グループのチョ・ヨンビョン(Cho Yong-Byoung)会長は、男女の採用比を3対1で維持するよう部下に命じ、男女雇用平等法に違反したとして起訴された。

 また同国の規制当局によると、業界4位のKEBハナ銀行(KEB Hana Bank)は、2013年の新規採用者の男女比を4:1と設定し、最終的な採用比は男性5.5人に対し女性1人だったという。現在、不正に関わった幹部のうち7人の公判が行われている。ある幹部は、顧客は大半が男性であるため、「気楽に喫煙や飲酒ができる」男性スタッフの方が接しやすいと感じてもらえると話した。

 韓国金融最大手、国民銀行(KB)の上級幹部3人は10月、女性志望者112人の試験の点数を減点する一方、男性志望者113人の点数を加点したかどで有罪判決を受けた。裁判所は「被告は多くの志望者の運命を変え、彼らの心に裏切られたという思いや絶望感を生じさせた」と非難した。

 だが同時に、被告らは「社会的慣習に従った」だけで、個人的責任を追及するには限界もあることを裁判所は認めた。3人の実刑判決には執行猶予が付き、銀行側にはわずか500万ウォン(約50万円)の罰金が科されただけだった。

 韓国女性労働者会(Korea Women Workers' Association)のベ・ジンキュン(Bae Jin-kyung)代表は記者団に対し、「韓国の女性たちは、何十年も変わらないように見える極端に不平等な労働環境で闘っている」「これほど不公平な世界ではしごを上ろうとすることは、女性にとっていかに大変なことか。しかも、そのはしごに手が届くかどうかさえ怪しい」と語った。(c)AFP/Jung Hawon