【11月20日 AFP】男子テニスのシーズン最終戦、ATPワールドツアー・ファイナルズ(ATP World Tour Finals 2018)は、21歳のアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)が大会初優勝を果たし、キャリア最大のタイトルを獲得して幕を閉じた。売り出し中の若者は、これをきっかけに、男子テニスの頂点に君臨する選手たちの間に割って入ることはできるのだろうか。

 10年以上にわたって男子テニスを支配し、四大大会(グランドスラム)を何度も制している王者たちからトップの座を奪うことを狙うハングリーな若手は数多くいる。中でもズベレフは、そうした新世代の筆頭と言われることも多い。

 これまでのところ、ズベレフはグランドスラムで期待を裏切る結果が続いており、4回戦を突破したのは今季の全仏オープンテニス(French Open 2018)だけとなっている。

 それでも、ズベレフの今後は明るいように思える。このATPファイナルズとマスターズ1000(ATP World Tour Masters 1000)での3勝を含め、ツアー優勝回数はすでに2桁に到達している。さらに今大会では、準決勝でロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)をストレートで退けると、決勝では難敵ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)から6-4、6-3の完勝を収める見事な勝ち方だった。

 ズベレフは「僕にとって、ここまでのキャリアで最大のタイトルだ。どんな選手にとっても、このトロフィーの持つ意味は大きい。すべてだ。つまり、勝てるチャンスは多くないし、対戦相手はベストの選手ばかりになる。その中でのきょうの自分のプレー、勝ち方は、ただ信じられない」とコメントした。

「とにかく驚きだ。このタイトルを勝ち取り、ロジャーとノバクという選手たちを連続で、準決勝と決勝で倒せるなんてね。すごく大きな意味がある。今この瞬間は信じられないくらいうれしいし、信じられないくらい誇らしい」

 さらにズベレフによれば、ジョコビッチ、フェデラー、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、さらにアンディ・マレー(Andy Murray、英国)らが築いてきたこのところの男子テニスの勢力図を変えたいと意欲を燃やしている若手は多いという。ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)以降、ジョコビッチを破った選手はわずか3人だが、ズベレフを含め、その全員が新世代の選手たちだった。