【11月17日 AFP】(更新、写真追加)安倍晋三(Shinzo Abe)首相は17日、第2次世界大戦(World War II)中の日豪の戦闘で沈没した旧日本軍の潜水艦の乗組員80人を追悼し、2日間にわたるオーストラリア訪問を終えた。

 安倍首相と昭恵(Akie Abe)夫人は、豪北部ダーウィン(Darwin)にある「伊号第百二十四潜水艦(I-124)」の乗組員の慰霊碑を訪れ、献花した。

 同艦は1942年1月、ダーウィン近海でオーストラリア軍艦「デロレイン(HMAS Deloraine)」に撃沈させられた。

 翌月から旧日本軍はダーウィンに一連の空襲を行い250人以上が死亡した。これらの空襲はオーストラリア史上最悪の外国からの攻撃となった。

 日本の首相として初めてダーウィンを訪問した安倍首相は16日、スコット・モリソン(Scott Morrison)豪首相と、太平洋を越えた両国の戦略的・軍事的協力の強化を誓った。

 両首脳はダーウィンの戦没者慰霊碑に献花し、旧日本軍の空襲で亡くなった人々を追悼した。この光景は、安倍首相が2016年に行った米ハワイ(Hawaii)の真珠湾(Pearl Harbor)訪問をほうふつとさせる。

 昭恵夫人は、戦後に市内の港で沈没船引き揚げ作業に従事した日本企業関連資料が展示されているダーウィン豪州連合教会(Darwin Memorial Uniting Church)を訪問した。

 同教会のローレン・メリット(Lauren Merritt)牧師は地元メディアのNTニュース(NT News)に対し、昭恵夫人は両国が戦後どれだけのことを成し遂げてきたかに感動していたと語った。

 メリット牧師は、「昭恵夫人は教会を後にする時も少しだけ泣いていた。彼女はこの話に心から感謝し、日豪の友情にただただ圧倒されていた」と述べた。

 また昭恵夫人は16日、地元のダーウィン高校(Darwin High School)を訪れ、日本語を学んでいる生徒らによる習字の実演などを見学した。(c)AFP