■臭いはない

 UCTの土木工学修士学生のスザンヌ・ランバート(Suzanne Lambert)氏は、「この製法はサンゴが形成される方法を再現しており、この自然作用でセメントが生成される」と説明した。

 粘土を焼成した従来型のれんがは、窯を使って作られる。約1400度の高温で乾燥させるのだが、この過程では大量の二酸化炭素(CO2)が排出される。

 それに対し、バイオれんがは、ウレアーゼと呼ばれる酵素を生成するバクテリアを混合した砂から「成長」させる。ウレアーゼは尿に含まれる尿素と反応し、砂と結合するセメントに似た化合物を生成する。

 この生成物は、どのような形状にも成形でき、常温で乾燥する。そのため窯が不要で、温室効果ガスは排出されない。また、バイオれんがに尿臭はない。2~3日乾燥させると強いアンモニア臭は消えるという。

 研究チームの一人、ブクヘタ・ムクハリ(Vukheta Mukhari)氏によると、バイオれんがの強度は特定の建築要件に合わせることが可能だが、これまでにできたバイオれんがは「市場に出回っている一般的なれんがと同程度の強度を持つ」という。

 米国ではすでに、バイオれんがの製造が進められているが、これには合成尿が使われている。バイオれんがに自然のままの人の尿を使用したのは、今回の研究が初めてだ。

 研究チームのメンバーで、UCT講師のダイロン・ランドール(Dyllon Randall)氏は、「現時点では、れんがを1個作るのに20~30リットルの尿が必要となっている。これは多いように思われるが、尿の約90%は水であることを忘れてはならない」と述べ、今後に向けて尿の量を減らすことについても検討中だと説明した。

「数年以内に今よりはるかに良い結果が得られると確信している」 (c)AFP/Susan NJANJI in Johannesburg / Amy GIBBINGS