米、ギュレン師のトルコ送還検討を認める カショギ氏殺害とは無関係と主張
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【11月16日 AFP】米国務省は15日、トルコ政府が2016年のクーデター未遂事件の首謀者として身柄引き渡しを求めている在米イスラム教指導者、フェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師(77)のトルコ送還を検討していることを明らかにした。ただ、サウジアラビア人記者殺害事件をめぐってトルコの対サウジ圧力を緩和するためとの報道内容は否定している。
ヘザー・ナウアート(Heather Nauert)国務省報道官は、ギュレン師については「トルコ政府からは再三、要求があった」と説明。「引き続き、身柄引き渡しを求めるトルコ政府の提示する資料の評価を行っていく」と述べた。
その上でナウアート報道官は、ギュレン師の身柄引き渡しの件と、サウジアラビアの著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏がトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館内で殺害された事件でトルコがサウジ政府への圧力を強めている問題とは「全く無関係」だと主張した。
これに先立ち米NBCニュース(NBC News)は、ホワイトハウス(White House)がトルコの対サウジ圧力を緩和する狙いでギュレン師の国外追放を検討していると報じていた。
NBCは匿名の情報筋4人の話として、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権の関係者が、「サウジ政府への圧力を緩和する」ようトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領を説得するため、ギュレン氏を米国から退去させる「合法的な手段」について警察当局に尋ねたと伝えた。
トルコ当局は、サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)が自分に批判的だったカショギ氏殺害を指示したと非難している。サウジ側は政府の関与を否定している。
また、ギュレン師についてはエルドアン大統領が、2016年7月15日に起きたクーデター未遂事件の首謀者だと断定し非難している。(c)AFP