【11月16日 AFP】今年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の開催国、パプアニューギニアのピーター・オニール(Peter O'Neill)首相は16日、経済の規模にかかわらずすべての国家が国際貿易のルールを守るべきだと訴えた。各国の関係を損ねかねない貿易摩擦を回避する必要性を訴えたものとみられる。

 首都ポートモレスビーでの首脳会議開幕を17日に控えたオニール首相は、「パプアニューギニアのように経済の規模が小さい国は国際貿易、特にそのルールに大きく依存している」と強調し、「ルールが破られたり無視されたりすればわれわれは打撃を受ける。ルールが守られれば、経済規模の大小にかかわらず、すべての国が恩恵を受ける」と述べた。

 専門家らは世界の2大経済大国である米中の貿易摩擦で世界経済に大きな悪影響が出かねないと警鐘を鳴らしており、米中の対立が今年のAPECに影を落としている。

 首脳会議に先立ち開かれたAPEC閣僚会議では世界貿易機関(WTO)改革に関する文言で合意に達せず、閉幕までに全体の閣僚宣言を発表できなかった。強い表現でWTOを批判し抜本改革を求めるよう主張した米国に反対意見が出たものとみられている。(c)AFP