ベネズエラの力士たち、経済危機で遠征断念も奮闘中
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■スポーツ界全体に及ぶ影響
相撲のベネズエラ代表チームは選手らの栄養ニーズに関して、国立スポーツ機構から支援を受けている。だが問題は栄養だけではない。
中南米における格闘技の中心地、ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)で9月に開催された南米選手権では、深刻な資金不足のせいでベネズエラ代表は出場を断念せざるを得なかった。このことは、男女3人ずつ計6人の選手を抱える国代表の相撲チームに大きな失望感をもたらした。「私たちは傷ついた」とムサンパさんは話す。
しかも経済危機の影響は、ベネズエラのスポーツ界全体に及んでいる。
ボクシングやバレーボール、ソフトボール、フェンシングなども、最近行われた国際選手権への出場を断念した。リオデジャネイロ五輪でボクシングの銀メダルを獲得したジョエル・フィノル(Yoel Finol)選手は、東京五輪に向けた重要な前哨戦となる中央アメリカ・カリブ海競技大会(Central American and Caribbean Games)への出場がかなわなかった。
■初代相撲取りの誇り
ベネズエラで相撲が初めて公式にお披露目されたのは2012年、北部マラカイ(Maracay)で初の全国相撲選手権が開催されたときだ。
「私たちはベネズエラの初代相撲取りです。皆もとはレスリングや柔道、サンボなど別の競技を行っていました」とムサンパさん。「今では36クラブあり、国際大会でメダルを獲得しているマリア・セデロ(Maria Cedello)氏のような一流選手もいます」
相撲を始めるスポーツ選手や愛好家も徐々に増えている。レスリングから相撲に転向したリバスさんは、相撲のトレードマークであるまわしに対しては及び腰であることを明かした。「友人が一生懸命、私の気分を盛り上げようとしてくれたけど、まわしを着けなければならないことには、いつもうんざりしていました」
(c)AFP/Esteban ROJAS