【11月14日 AFP】男子テニス、ATPワールドツアー・ファイナルズ(ATP World Tour Finals 2018)は13日、3日目が行われ、大会第7シードの錦織圭(Kei Nishikori)は0-6、1-6で第4シードのケビン・アンダーソン(Kevin Anderson、南アフリカ)に大敗した。

 このところの両者は、10月のエルステ・バンク・オープン(Erste Bank Open 2018)決勝でアンダーソンが錦織を破って優勝、その4日後のパリ・マスターズ(Rolex Paris Masters 2018)では錦織が雪辱を果たしていたが、その記憶がかすむほどの結果となった。試合開始から11ゲームを連続で落としてわずか64分で敗戦と、驚くほど一方的な展開だった。

 初戦で第2シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)に勝利している錦織だが、なすすべなく敗れたことで準決勝進出は微妙な状況になっている。

 錦織は途方に暮れた様子で「今年最悪の試合の一つ。ひどい試合だった」「なぜこのようなプレーになったのか分からない。ボールの感覚が良くなかった」「彼のプレーは良かったが、何かがおかしかった。修正して、なるべくポジティブに次へ向かいたい」とコメントした。

 錦織にとって、今季は波の激しい1年だった。手首のけがに悩まされていた錦織は、復帰戦に選んだ1月のチャレンジャー大会では世界ランキング238位の相手に敗れ、4月には世界ランク39位にまで落ち込んだ。

 しかしそこから、決勝進出の経験もある全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)で4強入りするなど、シーズン後半に好調を維持してランクを9位まで戻し、今大会初戦ではフェデラーをストレートで撃破。完全復活を印象づけたかに思えた。それでも、この日はそこで全てを出し切ってしまったかのような内容で、大会史上2人目となるダブルベーグルでの敗戦を逃れるのが精いっぱいだった。

 一方、シーズンのフィナーレを飾る権威ある大会に、32歳で初出場を果たしているアンダーソンは、グループのもう1試合でフェデラーがドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)をストレートで下したため4強入りは確定しなかったものの、あと一歩のところまで近づいている。

 ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に敗れた自身初のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)決勝以来、4か月ぶりに英国へ戻ったアンダーソンは、ウィンブルドンの快進撃を思い起こさせるような圧巻のプレーを見せた。第1セットをわずか31分で獲得した後もアクセルを緩めることなく、錦織の24本の凡ミスにも助けられてわずか1ゲームを落としただけで勝利した。

 15日のグループ最終戦で、錦織はティエムと、アンダーソンはフェデラーと対戦する。(c)AFP/Steven GRIFFITHS