【11月13日 AFP】アディダス(Adidas)そっくりの「アバビス(Ababis)」のロゴ入りスニーカーや、カルバン・クライン(Calvin Klein)と見間違いそうな「カイウェン・カニ(Caiwen Kani)」の下着、米人気映画シリーズに驚くほどそっくりな「Star Wnrs」のおもちゃ──これらは、11月11日の「独身の日」に、中国の大手電子商取引プラットフォームで売られていた模倣品の数々だ。

 中国の電子商取引大手アリババ(Alibaba、阿里巴巴)は、模倣品販売の取り締まりに力を入れているが、同社のオンライン・ショッピングサイト「タオバオ(TaoBao、淘宝)」ではいまだに安価なコピー商品が売られている。

 欧米の企業は長年、中国による知的財産権の侵害を非難しており、米中貿易戦争の争点の一つにもなっている。

 中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は今月、知的財産権の保護対策を強化すると再表明。来年1月1日には、模倣品を販売したプラットフォームを提供している企業への罰則を盛り込んだ法律も施行される予定だ。

 11日の独身の日を前にAFPが調べたところ、タオバオには模倣品があふれていた。

 アリババによると、今年の独身の日の売り上げは、販売開始からわずか1時間で100億ドル(約1兆1400億円)に達し、午前11時までには205億ドル(約2兆3000億円)となった。

 ほぼすべての中国人のスマートフォンにはタオバオのアプリが入っており、月間アクティブユーザーは6億3400万人と、同アプリは世界最大のオンライン取引プラットフォームの一つとなっている。

 販売されている商品の大部分は純正品だが、模倣品も多い。「アバビス」のスニーカーにはアディダスそっくりのロゴが入っており、値段はわずか5.70ドル(約640円)。ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)の偽物のハンドバッグは、17ドル(約1940円)で販売されていた。

 米通商代表部(USTR)は2016年、海賊版や模倣品を販売し、知的財産権を侵害している「最も悪名高い」市場だとして、タオバオを再びブラックリストに入れたことを明らかにした。