韓国カーリング女子がパワハラ告発、コーチ陣から暴言・搾取被害
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【11月13日 AFP】平昌冬季五輪で銀メダルを獲得する躍進を遂げ、メディアで旋風を巻き起こした韓国カーリング女子チームが、コーチ陣に賞金を搾取された上に言葉による暴力を受け、夢であるはずの競技に幻滅していると訴えている。
ニンニクの産地として有名な田舎町出身の韓国カーリング女子チームは、平昌五輪が開幕した時点ではメダル候補として見られていなかったが、カナダやスイスなどの強豪国を撃破して一躍有名になった。マイナー競技で資金が限られているにもかかわらず、大物食いを成し遂げた5人の快挙はインターネット上で話題になり、瞬く間に母国で有名選手としての地位を確立した。
「ニンニク少女」の愛称で知られるチームは、カーリングでアジア勢初の五輪メダリストになったが、「惨め」で「絶望的な状況」に追い込まれているといい、代表から外されて世界ランキングもトップ10から陥落。大韓体育会(KSOC)に宛てた書簡では、「アスリートの人権が侵害されている」「私たちは、もはや我慢できない域に達している」と訴えた。
その内容によると、大韓カーリング競技連盟(KCF)の金敬斗(キム・ギョンドゥ、Kim Kyung-doo)元副会長が、チームに「数え切れないほどの暴言」を吐いたほか、コーチ陣が選手たちの私生活にまで干渉してきたという。
中でも、眼鏡がトレードマークで、平昌五輪の象徴的存在となった主将の金恩貞(キム・ウンジョン、Kim Eun-jung)は、結婚した後に家庭生活をスタートさせるとコーチ陣に告げると、チームから外されそうになったという。さらに、国際大会の賞金も監督らの管理下にあり、その金額は2015年から数万ドルにも上ると伝えられた。
典型的な階級社会として知られる韓国スポーツ界において、選手は才能と同じくらい人脈が重要視され、そのキャリアは密接なコミュニティーの中で絶大な権力を握る指導者によって左右される。
今回の訴えについて、コーチ陣は内容を否定している。(c)AFP/Sunghee Hwang