【11月11日 AFP】男子テニスのシーズン最終戦、ATPワールドツアー・ファイナルズ(ATP World Tour Finals)の今後の開催地について、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)とノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)の間で意見が分かれている。

 男子テニスを統括する男子プロテニス協会(ATP)は今年8月、単複のトップ8が出場する同大会の今後の開催地を入札で決定すると発表。1970年に東京で第1回大会が開かれて以降、これまで米ニューヨークや豪シドニー、中国・上海といった大都市で開催され、今年は英ロンドンで行われる。

 一つの会場としては、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(Madison Square Garden)で1977年から1989年の13年にわたり開催されたのが最長となっているが、2009年以降はロンドンのO2アリーナ(O2 Arena)から変わっておらず、毎年25万人以上のファンを集めている。

 同大会で通算6度(うちロンドンで2度)栄冠に輝いているフェデラーは、ロンドンが完璧な選択肢であり、2021年以降も同地での開催を継続すべきだと考えている。フェデラーは9日、「もしとどまることになれば、それが良い選択なのは間違いない」「他の選択肢は知らない。他のオプションを見ることも重要なのは明らかだが」と語った。

「テニスをよく理解しているこの街でプレーすることを楽しんでいるし、ここではメディアの注目度も高い。自分たちの才能を披露するにふさわしい場所であり続けている」

 一方、同大会を通算5度(うちロンドンで4度)制しているジョコビッチは、競技の発展を理由に開催地の変更を支持し、「ロンドンから移りたくはない」とした上で「世界を回るというのが、この大会のコンセプトであるように感じる。ラウンドロビンというユニークな形式で上位8選手が戦う、ATP最大の大会だ」と話した。

 また、2年ごとに会場を移動することも可能だというジョコビッチは「テニスを世界中に広める素晴らしい手段、機会だと思う」「ただ同じ場所で10年というのは長すぎると感じる。それはロンドンだからというわけではないし、この大会に限った話ではない」と付け加えた。

「大会はここで素晴らしい発展を見せているし、個人的にも信じられないような成功を収めているから、僕が移転を訴えるのはおかしいのだけどね」 (c)AFP