【11月10日 AFP】モータースポーツ界の名門一族の名前が、来季からフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に戻ってくる――。F1で通算2度の選手権制覇を果たしたエマーソン・フィッティパルディ(Emerson Fittipaldi)氏の孫ピエトロ・フィッティパルディ(Pietro Fittipaldi)が、ハース(Haas F1 Team)のテストドライバーに起用されることになった。

 米マイアミで生まれた22歳のブラジル人ドライバーであるフィッティパルディは、エマーソン氏のほか、ウィルソン(Wilson Fittipaldi)氏、そしてクリスチャン(Christian Fittipaldi)氏という元名ドライバー3人の後を継ぐだけでなく、ブラジル人ドライバーとしても久しぶりのF1参戦を果たすことになる。

 ハースのギュンター・シュタイナー(Guenther Steiner)チーム代表は、「ピエトロ・フィッティパルディをハースチームに迎えられて喜んでいる。彼と一緒に仕事をすることを楽しみにしている」「彼はジュニア時代からオープンホイールの選手権を制する経歴を築いてきた。特に最近では、インディカー・シリーズでも実績を積んだ」と述べた。

「こうした経験を引っ提げ、ピエトロにF1で最初のテスト走行を行う機会を与えることを、われわれは喜んでいる。今後のテストドライバーとしての役割と、チームの2019年シーズンを手助けする彼のフィードバックが、ハースF1チームの成長と発展に貢献してくれることは間違いない」

 今月末に行われる最終戦アブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2018)でタイヤテストに臨む予定となっているフィッティパルディは今年、デイル・コイン・レーシング(Dale Coyne Racing)でインディカー・シリーズに6レース参戦。そのうち5レースは、5月に行われたFIA世界耐久選手権(WEC)のスパ・フランコルシャン6時間レース(Total 6 Hours of Spa-Francorchamps)で被った脚の骨折から復帰して臨んだ。

 ハースでロマン・グロージャン(Romain Grosjean)とケビン・マグヌッセン(Kevin Magnussen)のリザーブドライバーを務めることになるフィッティパルディは、「アブダビでハンドルを握ることを楽しみにしている。その経験を2019年に生かし、将来はF1でシートを獲得できることを願っている」とコメントした。

 祖父のエマーソン氏は、F1でGP14勝を記録したほか、チーム・ロータス(Team Lotus)時代とマクラーレン(McLaren)時代の2度にわたり世界制覇を成し遂げた。(c)AFP