【11月10日 AFP】シリア政府軍は9日、北西部イドリブ(Idlib)県に隣接するハマ(Hama)県で、ロシアとトルコが設置に合意した非武装地帯内の反体制派拠点を攻撃した。この攻撃で反体制派の23人が死亡。同地帯での衝突としては最多の死者が出た。

 攻撃対象となった反体制派武装勢力ジャイシュ・アルイザ(Jaish al-Izza)の拠点は、非武装地帯が設置される予定の両県県境地帯にある。在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、政府軍は、ハマ県の農村地域で同勢力が掌握する高層建築物を奪取するため攻撃を実施した。

 ロシアが支援するシリア政府はここ数か月、2011年の内戦開始以降に失った地域の大部分を奪還しており、イドリブ県と同県周辺は最後の反体制派支配地域となっている。

 政府軍はこの支配地域に対する攻撃を警告していたが、ロシア政府と反体制派を支援するトルコ政府が9月、同地域周辺に非武装地帯を設置することで合意した。現在、同地域には約300万人が暮らしている。

 シリア人権監視団によると、この合意以降、死者を出す小規模な交戦が数回あったが、今回の死者数は、非武装地帯の設置予定地域で起きた衝突としては最も多い。(c)AFP/Rouba EL HUSSEINI