【11月9日 AFP】(更新、写真追加)韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領は9日、金東兗(キム・ドンヨン、Kim Dong-yeon)経済副首相兼企画財政相と、張夏成(チャン・ハソン、Jang Ha-sung)大統領府政策室長を、同時に更迭した。

 韓国大統領府(青瓦台、Blue House)の尹永燦(ユン・ヨンチャン、Yoon Young-chan)広報首席秘書官が明らかにした。

 世界11位の韓国経済は、成長の鈍化や失業率の増加、根強く残る所得格差などの問題を抱えている。こうした問題に対処するためどのような経済政策を取るかをめぐり、金氏と張氏は対立していたとされる。

 国際社会では、文大統領といえば北朝鮮との関係修復を急速に進めている人物というイメージだ。だが、韓国国内では文政権の経済政策が論争の的となり、支持率の低下を招いている。

 文政権は「所得主導成長」を掲げて再分配政策を展開。最低賃金を大幅に引き上げ、労働時間を短縮し、非正規雇用を正規雇用に転換してきた。大企業の輸出と投資に頼る過去の成長モデルから大きくかじを切った形だが、狙いとは逆に、低所得者の状況を悪化させ、中小企業の人員解雇を引き起こし、大企業の投資抑制を招いていると批判を浴びている。(c)AFP