【11月9日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するフェラーリ(Ferrari)のキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)は、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が通算5度目の総合優勝を果たしたことを祝福する一方で、今週末の第20戦ブラジルGP(Brazilian Grand Prix 2018)でメルセデスが今季2冠を達成するのを全力で阻止するとけん制した。

 今季残り2戦となる中、フェラーリがコンストラクターズ選手権でメルセデスに55ポイント差をつけられていることを受け、ライコネンは良い状況ではないと認めながらも勝負を諦めるつもりはないという明確な意志を示した。

 ライコネンは報道陣に対して、「僕らにとって良い状況でないことは明らかだけれど、まだ勝負は決していないし、全力を尽くして勝利を目指していく」とコメント。第1期フェラーリ時代の2007年ブラジルGPでドライバーズ選手権を制したことで知られる同選手は、ハミルトンが今年の栄冠にふさわしいとした上で、自身のチームメートであるセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)が敗北した原因について、チームや個人のミスであることは否定した。

「確かにハミルトンが勝った。誰であろうとも、最もポイントを稼いだ者が勝つ。結局のところ、10人に尋ねてみても勝ち負けについてはそれぞれ見解が違う」「違いないのは、彼が勝ったということ。フェアプレーだったし、彼を祝福する」

 ライコネンはまた、チームの一員としてコンストラクターズ選手権で勝つことの方が大切だとして、「ドライバーズ選手権のことはあるけれど、どのチームに行っても、誰もがコンストラクターズ選手権の方が重要だと言うはず」「僕らはそれを目指しているし、まだ2レース残っている」と付け加えた。

 一方のベッテルは、第19戦メキシコGP(Mexican Grand Prix 2018)でハミルトンが今季2レースを残してドライバーズ選手権制覇を果たしたことについて失望したと認めながらも、今週末のレースを含めて将来に向けてモチベーションは保ち続けているとして、「確かに、前回のレースは受け入れ難いことだ。しかし、諦めるつもりはない」と強調した。

 世界王者に通算4度君臨しているベッテルは、「ドライバーズ選手権でこのポジションにいるのは2009年、2017年、そして今年で3回目だ。中でも09年は最悪で、最もポイントが低かった」と振り返った。

「来年はどうなるのか分からず、再びチャンスが訪れるかどうかも分からない。懸命に努力しているし、チャンスをつかむ自信はあるけれど、最終的にはどうなることやら」「予測はできないし、満足したことは一度もない」(c)AFP