【11月8日 AFP】米各州で6日、中間選挙の実施に合わせて住民投票が行われ、カリフォルニア州ではニワトリや牛、豚などの家畜に「最低限度の居住空間」を保証する州法の制定が賛成多数で承認された。一方、アラスカ州で野生のサケ・マスの生息環境保護を呼び掛けた住民投票は、反対が賛成を上回った。

 米国では議会選挙に合わせ、各州で大麻の合法化や銃規制、死刑廃止などさまざまな懸案事項をめぐって民意を問う住民投票が実施される。

 全米最大の人口を誇るカリフォルニア州では、採卵鶏や、食用の子牛・豚の飼育空間に適度な広さを確保することを求めた「住民投票事項12」の是非が問われた。

 畜産業界は、法律が施行されれば食肉価格の上昇を招き、食肉不足や感染症の拡大にもつながりかねないと反対していたが、住民投票では賛成が60%以上に上り、「家畜監禁に関するイニシアチブ(Farm Animal Confinement Initiative)」は2020年に発効することが決まった。

 資金を投じて同イニシアチブを支援してきた「全米人道協会(HSUS)」のジョシュ・ボーク(Josh Balk)副会長は、住民投票の結果について「畜産業界による虐待的な制度への大きな一撃だ」と地元紙に語った。

 一方、アラスカ州では環境保護団体の発案で、サケやニジマスなど回遊魚の繁殖の場となっている州内の自然環境を保護するイニシアチブをめぐって住民投票が行われたが、反対が約3分の2を占めるという結果に終わった。

 この住民投票をめぐっては石油、鉱業、農林業などの業界が、経済や雇用に大きな影響が出る恐れがあるとして反対運動を展開していた。(c)AFP