【11月8日 AFP】米国で6日に投開票が行われた中間選挙で、上下両院合わせて過去最多となる女性議員が誕生した。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に対する反発、セクハラ告発運動「#MeToo(私も)」の盛り上がりを背景に、民主党は多様性を増し、これまでにないほどの若返りをみせた。

 ニューヨーク州のアレクサンドリア・オカシオコルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)氏と、アイオワ州のアビー・フィンケナウアー(Abby Finkenauer)氏は共に29歳で、史上最年少議員となった。さらに、先住民女性では初めてとなる連邦議員が2人当選した他、パレスチナ系のラシダ・タリーブ(Rashida Tlaib)氏とソマリア系のイルハン・オマル(Ilhan Omar)氏の2人が、ムスリム(イスラム教徒)の女性として初の連邦議員となる。

 米ラトガース大学(Rutgers University)の「米国女性と政治センター(Center for American Women and Politics)」によると、最終的に女性議員の数は、少なくとも120人(下院が過去最高の98人、上院が22人)になる見込みだ。

 下院の女性議員はこれまで85人が最高だった。今回の中間選挙で、下院全体に占める割合は少なくとも23%を上回ることになるが、世界的に見ると、この数字は決して高くはない。

 バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領は、「より多くの米国人が投票すれば、選出されるリーダーたちの米国色は増す」と述べ、過去最多の女性、マイノリティーの大幅増、過去最多の投票者数を褒めたたえた。

 中間選挙で当選した女性の大部分は民主党だった。退役軍人、元中央情報局(CIA)要員、薬物中毒の親を持つ教師、元バーテンダーなど多彩な顔ぶれで、初めて立候補する女性も多かった。

 立候補者の多くは、トランプ政権による数々の暴挙――ヘルスケア政策の後退、人工中絶する権利の制限、国境付近での不法移民家族の引き離し、環境保護に対する脅威――にがくぜんとしていた。