【11月8日 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は中間選挙から一夜明けた7日に開いた記者会見で、米CNNテレビのホワイトハウス(White House)担当記者と口論を繰り広げた。大統領は怒りをあらわに「無礼でひどい人間」「国民の敵」などと記者を罵倒。ホワイトハウスはこの記者の記者証を無効にする措置も取った。

 CNNの記者はジム・アコスタ(Jim Acosta)氏。トランプ氏とはこれまでもたびたび激しい言葉のやり取りを演じてきた。今回は、トランプ大統領がアコスタ記者に着席してマイクを渡すよう求めた際、同記者がこれを拒否。その後、大統領が同記者を非難した。

 アコスタ記者は大統領が退室するそぶりを見せてもマイクを離さず、米国を目指す中米からの移民集団(キャラバン)に対する見解を問い続けた。

 アコスタ記者が「移民を悪者扱い」していないかと質問すると、トランプ大統領は「そんなことはない。この国に来てほしいと思っている。だが入国は合法的でなければならない」と回答。

 同記者が「移民らは数百マイルも離れた場所にいる。これは侵略ではない」と続けたところ、大統領は話を遮り、「率直に言って、国の運営は私に任せるべきだと思う。君はCNNを運営する。うまくやれば、視聴率も上がるだろう」と述べた。

 アコスタ記者が質問を続けると、大統領は「もう十分だ。マイクを置け」と言い、演壇を離れて立ち去るそぶりを見せた。

 職員にマイクを取り上げられそうになったアコスタ記者が、声を張り上げて最後の質問をしようとすると、大統領は同記者を非難。人さし指を振りながら、「言っておくが、CNNは君を雇っていることを恥ずべきだ。君は無礼でひどい人間だ。CNNで働くべきではない」と述べた。

 さらに大統領は、「CNNがよくやっていることだが、フェイクニュースを伝えるのなら君は国民の敵だ」と述べた。

 CNNは声明でトランプ氏を非難。「この大統領が報道機関に対して続けている攻撃は度を越している。危険なだけでなく、恐ろしく非米国的だ」とし、アコスタ記者と「あらゆる場所にいる記者」への支持を表明した。

 ホワイトハウスのサラ・サンダース(Sarah Sanders)報道官は「通知があるまでアコスタ記者の記者証を停止する」と発表。アコスタ記者も、ホワイトハウスに入らせてもらえないとツイッター(Twitter)に投稿している。(c)AFP