【11月8日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領は7日、中間選挙で野党の民主党が躍進したことをたたえる一方、必要な変革に向けた闘いは始まったばかりだと戒めた。

 6日に投開票された中間選挙では、民主党が下院で過半数の議席を奪還した半面、共和党は改選前から多数派を握る上院で議席を積み増し。米国が党派によってはっきり分断されていることを改めて示す結果になった。

 オバマ氏は声明で「われわれの仕事は続く。われわれが必要としている変革は一度の選挙だけで実現するようなものではない。とはいえ、これは一つの始まりだ。昨夜、米国各地の有権者たちが変革を始めた」と指摘。

「今後、われわれが公共生活について望んでいるような価値観が戻ってくることを期待している。正直さ、良識、和解、そして、違いによって分断されるのではなく、共通の信念によって結びついて、米国民として互いのために立ち上がるという価値観だ」と述べている。

 オバマ氏は、民主党が下院でドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の与党・共和党から多数派を奪い返したことに注目が集まるのは仕方ないとしながらも、民主党の支持者たちに対して、この勝利がどのように確保されたかについて考えてほしいとも訴えた。

「長い間、民主党が勝ててこなかった選挙区で戦ったこと、女性やイラク、アフガニスタンで従軍した若い退役軍人が過去最多の当選を果たしたこと、マイノリティーの候補が躍進したこと、傑出した若いリーダーたちが登場したこと」が勝利をもたらしたと強調。「投票する米国人が増えるほど、選出されるリーダーたちは米国らしくなる」と呼び掛けた。(c)AFP