女性器切除、14歳未満で「激減」 統計調査で判明
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【11月7日 AFP】世界29か国を対象とした女性器切除(FGM、女子割礼)に関する大規模な統計調査が実施され、この30年でFGMを受けた14歳未満の少女の割合がアフリカのほとんどの地域で激減していることが分かった。
FGMをめぐっては多くの病気につながるとして人権団体や活動家から非難が上がっているものの、現在もアフリカや中東の一部地域で広く行われており、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)によるとソマリアではFGMを受けた女性や少女の割合は98%に上る。
しかし英国と南アフリカを拠点とする研究チームが1990年までさかのぼって29か国におけるFGMの実施割合を精密に調査したところ、時間の経過とともに低年齢の少女の実施割合が下がっていることが判明した。
研究チームは合わせて21万人近い少女を対象とした人口保健調査とユニセフの別個の調査データを合算。重複する人数を除外したところ、複数の地域で14歳未満のFGM実施割合が「大変著しく減少」していたという。
研究チームによると、東アフリカではFGMを受けた少女の割合は1995年には71.4%だったが、2016年にはわずか8%にまで激減。ケニアやタンザニアといった人口の多い国ではFGMの実施割合は毎年3~10%と低い割合を推移しており、傾向として急激に下がっていることが確認された。
一方、エリトリアではFGMを受けた少女の割合は1995~2002年にかけて平均67%だったという。
研究論文の主執筆者で英ノーサンブリア大学(Northumbria University)のンギアンガバクウィン・カンダラ(Ngianga-Bakwin Kandala)教授(生物統計学)は、FGMを受けた女性や少女は世界中に2億人以上いると指摘し、「少女の実施割合が高い国や地域ではFGM防止を公衆衛生上の重要課題とするべきだ」と強調した。(c)AFP/Patrick GALEY