【11月7日 AFP】フランス南部の港湾都市マルセイユ(Marseille)で5日に発生した老朽化したビル2棟の倒壊事故で、翌6日にはがれきの下から4人の遺体が収容された。事故を受けて当局は、市内のあらゆる「居住不適」物件の検査を実施する方針を発表した。

 現場は、同市中心部にある労働者層の居住地区とされるノアイユ(Noailles)。現地検察によると収容されたのは男女2人ずつ計4人の遺体でまだ身元は分かっていない。倒壊したビルのうち1棟には居住者5人と来訪者3人がいたとみられており、今回の事故で最大8人が犠牲になった恐れがある。

 クリストフ・カスタネール(Christophe Castaner)内相は首都パリで議員らに対し、「建物1軒1軒」を検査するよう指示を出したと述べ、その上でマルセイユ当局と協力して「安全対策を万全にしていくための大掛かりな計画」に着手していくと説明した。

 カスタネール内相は、マルセイユ市内の「6000軒近い建物が危険」とみなされており、これは貧困地区の4万4000戸に当たると明かし、「容認できない」状況だと指摘した。

 5日夜には、倒壊した2棟に接する3棟目の一部が崩落した。救助隊はがれきの中の捜索活動を慎重に進めている。

 近隣住民は、倒壊したビルをはじめ、類似の建物の構造的な危険性は広く知られていたにもかかわらず、市に通報してもほとんど対応してもらえなかったと怒りを募らせている。

「ここは地獄だとみんな分かっていた。そしてついに無駄死にした人が出た」と語ったある男性住民は、「市が100%悪い」と非難した。また同地区に住んで10年になるという女性は、自分のアパートに検査が入ったことなど一度もなく、27年間無検査だとする隣人までいると話している。(c)AFP/Olivier LUCAZEAU / Julie Pacorel