【11月7日 AFP】キューバの国家元首ミゲル・ディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)国家評議会議長が訪問している北朝鮮で、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の肖像画が初めて公の場に掲げられた。評論家らは、若き指導者である金委員長の個人崇拝の始まりを予感させる動きとみている。

 北朝鮮では、同国建国の父で正恩氏の祖父に当たる故金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席と、後継者で正恩氏の父の故金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記が描かれている肖像画は、国内の至る所に掲げられている。

 一方、現在の指導者である正恩氏については、日々の活動や写真は同国で唯一認められている報道機関の国営放送で広く伝えられているが、日常生活の場では金日成・金正日両氏のようにあちこちに肖像画は掲げられておらず、彫像の存在もこれまで知られていない。

 しかし、評論家らはこの状況が変わり始めている可能性があると指摘している。北朝鮮では前週末、キューバのディアスカネル国家評議会議長が同国を訪問したが、正恩氏が平壌国際空港(Pyongyang International Airport)でディアスカネル氏を出迎えた際、建物の外側に両氏の巨大な肖像画がそれぞれ掲げられたのが写真で明らかになったためだ。

 韓国政府のシンクタンクである韓国統一研究院(Korea Institute for National Unification)のアナリスト、チョウ・ハンブン(Cho Han-Bum)氏は「このような肖像画が公共の場に掲げられたのはこれが初めて」と指摘。公の場での肖像画の掲示は、正恩氏が指導者として同氏の政治的権力を強化しカリスマ性を高めるのに注力する「二期目」に入った可能性を示していると述べた。(c)AFP