【11月6日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)の伝説的選手であるローター・マテウス(Lothar Matthaus)氏が、同チームのニコ・コヴァチ(Niko Kovac)監督は数人のスター選手から支持を得ることができておらず、指揮官としての立場を失いかねない状況にあると述べた。

 欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)でグループEに入っているバイエルンは、7日に予定されているホームのAEKアテネ(AEK Athens)戦に勝利し、同組の試合でベンフィカ(Benfica)がアヤックス(Ajax)に敗れれば、決勝トーナメント進出が決定する。

 しかし、3日に行われたホームでのSCフライブルク(SC Freiburg)戦を1-1で引き分けたことで、リーグ戦では首位を走るボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)と4ポイント差の3位につけるなど、すべてが完全にうまくいっているわけではない。

 就任からわずか4か月ながら、コヴァチ監督はプレッシャーにさらされており、独メディアから連日のように批判を浴びている。

 ドイツ代表の元キャプテンで、現在は解説者として活動しているマテウス氏は、スカイ・ドイツ(Sky Germany)に対し「今のバイエルンには落ち着きや一体感、積極性、シンプルにプレーを楽しもうとする気持ちがない」と指摘した。

「誰が責任を取っているのか見えてこない」「コヴァチ監督はシーズンの初めに選手の序列をつくることに失敗し、すべてがうまく進んでいない」「ニコはもう一度、自分の後ろに選手がついてきているかを確認しなければならない」「バイエルンのメンバーは、彼が前に率いていた選手たちとは違う」

 またマテウス氏は、トーマス・ミュラー(Thomas Muller)が先発から外されたことを受け、同選手の妻がインスタグラム(Instagram)で批判したというエピソードが多くを語っていると述べた。

 ミュラーの妻はすぐに投稿を削除し、コヴァチ監督に謝罪したが、マテウス氏は今回の投稿が「チームの雰囲気を象徴している」と語った。「このような会話がそれぞれの家で飛び交っている。監督を支持していない選手もいる。このチームには不満が存在している」

 コヴァチ監督を公の場で批判している選手はいないが、リーグ6連覇を果たしているにもかかわらず、ここ最近の結果がその実力に見合っていない現状にバイエルンが重圧を感じているのは明らかだ。

 2週間前、バイエルンのウリ・ヘーネス(Uli Hoeness)会長とカール・ハインツ・ルンメニゲ(Karl-Heinz Rummenigge)社長は、連続して成績が振るわなかった後の報道が「無礼で不快」だったとして、独メディアを猛烈に批判した。

 リーグ戦でヘルタ・ベルリン(Hertha Berlin)とボルシア・メンヘングラッドバッハ(Borussia Moenchengladbach)に敗れたバイエルンは、10試合を終えわずかに勝ち点20しか挙げられていない。これは2010-11シーズンの後では最も低い数字であり、この時はドルトムントにリーグタイトルを譲っている。

 10日に行われるドルトムントとの大一番に敗れると、バイエルンは首位に7ポイント差をつけられることになる。(c)AFP