【11月5日 AFP】(更新、写真追加)中国・上海で5日、「中国国際輸入博覧会(China International Import Expo)」が開幕した。開幕式に出席した習近平(Xi Jinping)国家主席は演説で、諸外国との商取引における障害を取り除き、輸入を拡大するために中国がさらに努力をしていくと表明した。一方で保護主義や孤立主義を非難するなど、貿易をめぐる対立が続く米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)政権をけん制した。

 習主席はまた、輸入品の国内消費の刺激、関税の削減、通関手続きの簡略化、知的財産権侵害の厳罰化に向けて中国が対策を強化すると述べ、「それが中国の市場開放に向けたわれわれの誠実な取り組みだ」「われわれは世界標準のビジネス環境を強化していく」と強調した。

 一方で「自国の問題を覆い隠すために他国を批判するべきではない」「自国ではなく、他国の弱みをことさら強調するために懐中電灯を手にするようなことはあってはならない」と述べるなど、明らかにトランプ氏を意識した発言もみられた。

 開幕式にはロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)首相やパキスタンのイムラン・カーン(Imran Khan)首相も出席。ビジネスフォーラムには米マイクロソフト(Microsoft)共同創業者のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏が参加することになっている。

 主催者によると、国際輸入博には米国や欧州を含む130か国から3000以上の企業が参加。マイクロソフト、ゼネラル・モーターズ(General Motors)、フォード・モーター(Ford Motor)、サムスン電子(Samsung Electronics)、ウォルマート(Walmart)、テスラ(Tesla)といった企業が商品展示を行う。

 中国の商慣習をめぐっては地元企業を優遇する国内政策をはじめ、中国企業との合弁会社設立に関する必要条件や技術移転の強要、知的財産権の侵害や制約の多い官僚主義などに関し、外国企業から批判が上がっている。(c)AFP