【11月4日 AFP】米陸軍は、昨年10月にニジェール南西部で米軍とニジェール軍が待ち伏せ攻撃を受け両軍に死者が出た問題で、6人を懲戒処分とした。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が3日、伝えた。

 待ち伏せ攻撃が起きたのは2017年10月4日。米軍の特殊部隊11人とニジェール兵30人がマリとの国境に近い村からの帰路、イスラム過激派約50人による襲撃を受けた。

 ニューヨーク・タイムズによると、懲戒処分の対象には米特殊部隊の班長を務めたマイク・ペロゼニ(Mike Perozeni)大尉と副官の曹長も含まれていた。ペロゼニ大尉への懲戒通知では訓練不足と作戦の予行演習不足が指摘された。

 同紙によると、ペロゼニ大尉が率いていた第3212班は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」指導者の一人、ドゥンドゥン・シェフ(Doundoun Cheffou)容疑者を追って、ニジェール・マリ国境に向かっていた。

 情報収集でシェフ容疑者がいる野営地の場所が明らかになると、ヘリコプターで部隊を空輸する作戦が立案され、、第3212班を含む米特殊部隊とニジェール軍が参加することになった。

 しかし悪天候のためヘリを使った作戦は中止となった。部隊は陸路で野営地に向かったが既に引き払われた後だった。その帰路、重武装した約50人のIS戦闘員に待ち伏せ攻撃を受けた。

 この待ち伏せ攻撃による米軍の死者は4人。アフリカでの米軍の戦死者としては、1993年にソマリアで発生し映画『ブラックホーク・ダウン(Black Hawk Down)』の題材にもなった「モガディシオの戦闘(Battle of Mogadishu)」の18人に次ぐ多さとなった。

 米軍がニジェールで活動していたことはほとんど知られていなかったため、この待ち伏せ攻撃に多くの米国人は驚き、ニジェールに派遣された800人の米兵をはじめとするアフリカに駐留する米軍の目的に関する議論が巻き起こった。(c)AFP