【11月4日 AFP】国際ボクシング協会(AIBA)は3日、空位になっていた会長の座をめぐる選挙を実施し、暫定会長のガフル・ラヒモフ(Gafur Rakhimov)氏が正式に会長に選出された。しかし、物議を醸しているラヒモフ氏が会長となったことで、ボクシングが五輪から除外される可能性は依然として残っている。

 ラヒモフ氏はモスクワで行われた会長選の投票で、134票中86票を獲得し、唯一の対立候補で元選手のセリク・コナクバエフ氏(Serik Konakbayev、カザフスタン)をKOした。

 しかしラヒモフ会長は、米国財務省から犯罪組織とのつながりを指摘されている。本人はこれを強く否定し、先日のAFPによる取材では「国際犯罪組織や、ちまたで言われているような者たちと関わり合いをもったことなど一切ない」と主張すると、米財務省のリストに自身が載っているのは「誤り」で、6か月以内に「間違いを正せる」はずだと話していた。

 ところが、国際オリンピック委員会(IOC)は10月にAIBAとの接触を凍結し、ラヒモフ氏がアルゼンチンのブエノスアイレスで開催された夏季ユース五輪に出席することも禁止した。

 トーマス・バッハ(Thomas Bach)会長も、2月に「AIBAのガバナンスについて非常に憂慮している」とコメント。その後の4月、批判を受けたAIBAは内部改革に関する書類をIOCに提出したが、競技が五輪から除外される可能性は残っている。

 会長選の前に「もちろん、2020年大会、2024年のパリ大会、2028年のロサンゼルス大会でボクシングは実施される」と請け合っていたラヒモフ会長は、当選後の記者会見で「IOCとの交渉を続けて合意に達する」ことを目指すと話しつつ、「それがうまくいかなかった場合は、競技に大きな影響が及ばないようにしなくてはならない」と続けた。(c)AFP/Thibaut MARCHAND