【11月3日 AFP】ラグビーニュージーランド代表の主将キーラン・リード(Kieran Read)が、来年のW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)を最後にその輝かしいキャリアを築いた代表から退き、海外チームとの大型契約を模索する意向を示した。

 代表通算115試合の実績を持つナンバー8のリードは、W杯終了後の自身の去就について聞かれると、日刊紙ニュージーランド・ヘラルド(New Zealand Herald)に対して、「自分としては、ニュージーランドを去ることになるだろう」と話した。

 来年のW杯後には34歳になっているリードは、オールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)として2011年と2015年にW杯制覇を果たしているほか、2013年にはワールドラグビー(World Rugby)の年間最優秀選手に選出されるなど、ラグビー界ではすでに頂点を極めている。

 スーパーラグビー(Super Rugby 2018)でもクルセイダーズ(Crusaders、ニュージーランド)でタイトルを獲得しているリードは、妻とともに以前から3人の子どもたちと海外生活を送ることを望んでおり、移住するなら2020年が良いタイミングと考えている。

 リードは現役引退も選択肢に入っていると話す一方で、体力が許す限りは欧州のチームでプレーを続けていく可能性が高いとしており、「選択肢はたくさんあるけれど、できるならプレーを続けていきたいと思っている。子どもたちに経験を積ませることが主な目的で、家族としてそれが自分たちの仕事だ」「家族としてずっと考えているのは、海外に行って子どもたちの経験に役立てること。現時点では、それが主な目的だ」と明かした。

 オールブラックスの長期後継者育成計画の一環で、2012年に初めて母国代表の主将を務めたリードは、2015年W杯が終わってから当時の主将リッチー・マッコウ(Richie McCaw)氏が現役を引退したことを受けて、フルタイムのリーダーとなった。

 すでに5試合でニュージーランドの主将を務めているサミュエル・ホワイトロック(Sam Whitelock)が後任のリーダー候補に挙げられているが、同選手は日本での短期契約を検討中とされている。オールブラックスは2015年のW杯終了後に大勢の主力が抜けたときと同様に、リードを含む多くのベテラン選手がチームを去るとみられている。

 ベン・スミス(Ben Smith)はすでにフランスリーグ・トップ14のセクシオン・パロワーズ(Section Paloise)と契約したと伝えられているほか、ボーデン・バレット(Beauden Barrett)やブロディー・レタリック(Brodie Retallick)、アーディ・サベア(Ardie Savea)、ネヘ・ミルナー・スカッダー(Nehe Milner-Skudder)、ライアン・クロッティー(Ryan Crotty)らも、海外のクラブを視野に入れている可能性が高いとされている。

 前回のW杯以降、オールブラックスはダン・カーター(Dan Carter)を筆頭にマア・ノヌ(Ma'a Nonu)、コンラッド・スミス(Conrad Smith)らが海外に主戦場を移し、さらにマッコウ氏が現役を引退したことから、テストマッチ合計800試合以上の経験豊富な戦力を失っていた。(c)AFP