【11月2日 AFP】サッカー中国スーパーリーグ(1部)の山東魯能(Shandong Luneng)でプレーするブラジル人FWジエゴ・タルデッリ(Diego Tardelli)が、試合前の国歌演奏で顔をさすっていたとして、中国サッカー協会(CFA)から1試合の出場停止処分を受けた。

 33歳のタルデッリは、先月28日に行われた上海上港(Shanghai SIPG)戦前の中国国歌演奏中、下を向いて右手で顔をさすっていた。この行為を受けて、CFAは先月31日に処分を通達し、「国歌が流れて歌われている時に、タルデッリの取った振る舞いは威厳に欠けており、マイナスの社会的影響を及ぼした」と述べていた。

 中国では昨年、国歌への侮辱行為に厳しい処罰を与える法律が制定されており、中国国歌「義勇軍行進曲(March of the Volunteers)」をめぐって有名選手が処分を受けるのは、タルデッリが初めてのケースではない。

 今回の裁定には、中国版ツイッター(Twitter)の微博(ウェイボー、Weibo)で、「顔を触っていたことが、威厳に欠ける行為だって? それは、少し大げさすぎる」とショックを受けているファンがいる一方で、「CFAの行動のどこが間違っている? どこの出身であっても関係なく、国歌と国旗には敬意を示すべきだ」と処分を支持する声も上がっていた。

 中国サッカー界に世界の注目が高まっている中、ほとんどの国であれば処罰に値しないか軽い罰で済むような行為でも、CFAはピッチ内外の問題に対して出場停止処分をはじめ、罰金や警告を次々と発表している。(c)AFP