【11月2日 AFP】第48回世界体操競技選手権(48th FIG Artistic Gymnastics World Championships)は1日、カタールの首都ドーハで女子個人総合決勝が行われ、村上茉愛(Mai Murakami)が合計55.798点で銀メダルを獲得した。日本勢が世界体操の個人総合で2位に入るのは、女子では史上初の快挙となった。

 米国のシモーネ・バイルス(Simone Biles)が合計57.491点で女子史上初となる通算4度目の個人総合金メダルに輝き、同胞で2017年大会女王のモーガン・ハード(Morgan Hurd)が合計55.732点で銅メダルを手にした。

 米国体操界のスーパースターで誰にも止められないバイルスは、跳馬と平均台の2種目で珍しくミスを犯したものの、世界選手権ではこれで通算12個目のタイトルを獲得した。試合後にはツイッター(Twitter)に「皆さんの心臓を止めさせるようなつもりはありませんでした」「謝ります。もう二度としません」とつづった。

 21歳のバイルスは最初に臨んだ跳馬で着地に失敗すると、平均台でも落下するなど苦戦を強いられ、大勢が期待した通りの圧倒的な勝利とはいえなかった。それでも村上からの激しい追い上げを抑え、キャリア最高の1.693点差でタイトルを手にしたものの、「自分の実力からすれば、すごく残念」と満足しておらず、「自分の力を示すことができないのは、がっかりです。それでもまだ種目別の決勝が残っているから、挽回できることを願っています」とコメントした。

 その一方で、バイルスは今週のうちにいくつかの記録を塗り替える可能性が高まっている。これで世界体操で獲得したメダル総数を16個に伸ばし、ロシアのスベトラーナ・ホルキナ(Svetlana Khorkina)氏が記録した女子歴代1位の通算20個にあと4つと迫った。

 バイルスはまた、今大会ではすでに女子団体でも金メダルを勝ち取っており、あと金メダル1個で男女を通じて史上最多となる通算13個目のタイトルを手にすることになる。2日と3日に行われる個人種目のいくつかで優勝候補に挙がっており、その可能性は高いとみられている。

 リオ五輪では個人総合を含む4冠を達成し、2017年シーズンを全休した後に再び素晴らしい結果を出しているバイルスは、つい先日には腎臓結石で病院に搬送された上でここまでのパフォーマンスを披露。1日には今回の体調不良によって、特に問題になることはなかったと話した。(c)AFP/David HARDING